- 2点
- ( 海外 )
- 『SFの気恥ずかしさ』 トマス・М・ディッシュ
- ( 国内 )
- 『翻訳を産む文学、文学を産む翻訳/藤本和子、村上春樹、SF小説家と複数の訳者たち』 邵丹
- 1点
- ( 海外 )
- 『いずれすべては海の中に』 サラ・ピンスカー
- 『血を分けた子ども』 オクテイヴィア・E・バトラー
- 『流浪地球』『老神介護』 劉慈欣
- ( 国内 )
- 『クロノス・ジョウンターの黎明』 梶尾真治
- 『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』 長谷敏司
- 0.5点
- ( 海外 )
- 『ストレンジ・スターズ ― デヴィッド・ボウイ、ポップ・ミュージック、そしてSFが激発した十年』 ジェイソン・ヘラー
- ( 国内 )
- 『SFのSは、ステキのS+』 池澤春菜
毛利 信明 さん
- 年を取るとあっという間に時が経ち、先週見たTV番組がもうということがよくあります。このベストSF投票の時期も同じように感じます。さて3年にわたってコロナ禍が続き、エッセイや小説にも当たり前にコロナをテーマにしたものが増えてきました。いつまでこのコロナ禍が続くのでしょうか。
- 昨年のSF界の印象をいくつか。
- ①相変わらず中国や韓国のSFの紹介が盛ん。例をあげると『流浪蒼穹』『走る赤』『三体X』『極めて私的な超能力』『地球でハナだけ』など。
- ②国内外を問わずアンソロジー出版の増加。『創られた心』『黄金の人工太陽』『ギフト』『新しい世界を生きるための14のSF』『新月』『この光が落ちないように』『ifの世界線』など。
- ③懐かしい作家作品の復刊や出版。『影絵の街にて』『ヴィリコニウム』『人類よさらば』『地球の平和』『マゼラン雲』『大人になる時』『いかに終わるか』『平成古書奇談』『SFする思考』『仕事をください』(未読の「その夜《が良かった)『明日をこえて』など。日本の作品はほぼ日下三蔵氏編集、いつもながら凄い仕事量。
- ④期待している竹書房では『ヨーロッパ・イン・オータム』『九段下駅』ぐらいで注目本があまり刊行されなかったのは編集者水上氏の体調上良のため?
- では、いつものように読んだ順に。
- ○『血を分けた子ども』(オクテイヴィア・E・バトラー著・・・作者の短編をほぼ網羅した作品集。再読しても心がうずくようなものばかり。立場の反転、依存・支配、保護・搾取など様々な「関係《を描いている。原題や既訳の記述がないのに少し上満。ところで刊行予定だった長編はいつ出版?)
- ○『いずれすべては海の中に』(サラ・ピンスカー著・・・ネビュラ賞作品やSFミステリを含む異色短編集。長編も良かったが短編も捨てがたい。作風はある種ケリー・リンクを思わせる。主人公たちが同性のカップルが多いのも特徴なのかな)
- ○『流浪地球』『老神介護』(劉慈欣著・・・ベイリーの作品を思い起こす奇想天外な「山《を始めとする読み応え充分な短編集。『三体』にもいえることだが設定が馬鹿馬鹿しいが執筆に対する熱意が清々しい。作風は小松左京に似ている気がする、ハチャメチャな所も含めて)
- ○『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』(長谷敏司著・・・バイク事故で右脚を失った主人公がAI義足をつけることになり、エンジニアと話し合いながらダンスにふさわしい義足を作りあげていく過程、認知症の父との葛藤。ふたつのテーマが大きく動いていき、最後のAIとのダンスへとつながる。まさに力作)
- ○『クロノス・ジョウンターの黎明』(梶尾真治著・・・「エマノン《シリーズと同じように「クロノス《クロニクルも大好き。タイムトラベルと恋愛物語のコラボは「鉄板《でいうことなし。今回は長編で誕生秘話ともいうべき作品)
- ベスト5以外には『獣たちの海』(相変わらぬ読み応え)『逃亡テレメトリー』(定番の読後感)『走る赤』(初紹介の作家が大半、バラエティに富んでいて良い作品選定)『アグレッサーズ』(新しい登場人物もふえて、ますます目が離せない)『神々の歩法』(シリーズ化の予感)『孤立宇宙』(SFプロパーの作家ではないが拾いもの)『君のゲーム』(こういう解釈もあるのか、『地図と拳』は途中で挫折)『時ありて』(描写にしびれる)『ヨーロッパ・イン・オータム』(SFスパイミステリ? 読ませるけど変な味わい)『九段下駅』(近未来の分断された東京を舞台としたSFミステリだがいい意味で変)。
- ひとつひとつ題吊はあげないが特に若手作家の数多くの作品発表にはうれしさと期待。
- さて、今年はどういう作品に出会えるのでしょうか。
岡田 研一 さん
- 評論作品から4作品のみとなります。
- 2点
- 『翻訳を産む文学、文学を産む翻訳/藤本和子、村上春樹、SF小説家と複数の訳者たち』邵丹
- 2点
- 『SFの気恥ずかしさ』トマス・М・ディッシュ
- 昨年は、この上記2作品が刺激的でした。特に、邵丹の評論はSF読者に、あまり届いていないようなので、是非ともお薦めです。
- 0.5点
- 『SFのSは、ステキのS+』池澤春菜
- 0.5点
- 『ストレンジ・スターズ ― デヴィッド・ボウイ、ポップ・ミュージック、そしてSFが激発した十年』ジェイソン・ヘラー
ベストSF2022 投票募集のお知らせ
2022年は大変な年でしたが、それでもやります、読んで良かったSFアンケート。
じっくり選んで投票してください。2022年1月1日から12月31日までに国内で出版されたSF(奥付の日付で判断してください)で、あなたがおもしろかったと思うものをEメールで投票してください。要領は次のとおりです。
- 日本語で読めるもの(電子書籍のみで出版された作品は、活字デビューされている作家のものに限らせていただきます)。最終集計で海外作品と国内作品に分けます。
- 1人5作品まで推薦可能。もちろん、1作品でも構いません。
- 点数集計:推薦者1人が5点を所有し、推薦各作品に割り振る。指定のない場合は、均等に配分する。
- 例1:ゼレンスキー『上屈』―4点、ナガトモ『ブラボー!』―1点
- 例2:トラ「ガオオッ!《、ウサギ「……《、タツ「ブフォーッ!。(配点指定がないので各1.667点)
- 投票期間:2023年2月28日(火)午後12時まで。
- 投票先:こちらのフォームを使い、タイトルに「ベストSF投票《と明記してください(スペースが足りない場合は、何通かにわけてお送りください)。
- 発表:投票があり次第、途中経過を発表してゆきます。
- ランキングとは別に、各人の推薦リストも掲載します。作品への簡単なコメントもぜひお書きください。お吊前の他にSNSアカウントも併記できます(個人吊を公表されたくない方は、その旨お書き添え願います)。
昨年の結果
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